【第102回】ジオパークはSDGsの達成に貢献するプログラム

2023年7月1日

「持続可能な開発目標(以降SDGs)」は、2015年9月の国連サミットで採択された国際計画で、193の国連加盟国が2030年までに達成すべき17の目標(ゴール)を設定しています。「持続可能で強靭、そして誰一人取り残さない」ことを理念とするSDGsの特徴は、国や市町村といった自治体レベルの活動だけでなく、地域で行われている活動も対象に含むことです。

SDGsの17のゴールの下には、目標達成の目安を具体的に示した169の“ターゲット”が設定されていますが、その多くはジオパークの活動と密接に関連しています。たとえば目標11のターゲット「11.4 世界の文化遺産及び自然遺産の保護・保全の努力を強化する」は、地域資源の保護・保全に、目標13のターゲット「13.1 すべての国々において、気候変動に起因する危険や自然災害に対する強靭性及び適応力を強化する」は防災・減災に、そして目標17のターゲット「17.17 さまざまなパートナーシップの経験や資源戦略を基にした、効果的な公的、官民、市民社会のパートナーシップを奨励・推進する」は、地域やジオパーク間で行われているネットワーク活動に相当します。ジオパーク活動を続ければこれらのターゲットは達成できることから、ジオパークはSDGsの達成に大きく貢献することになります。

一人一人ができることを持ち寄って、この地域とここにしかない“宝”を守り、次の世代に引き継いでいきましょう。このことは結果的に、SDGsの達成にも貢献します。



一般社団法人鳥海山・飛島ジオパーク推進協議会 次長兼主任研究員 大野希一

【文・写真】
一般社団法人鳥海山・飛島ジオパーク推進協議会 次長兼主任研究員 大野希一

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