【第120回】“ダイヤモンド鳥海”はいつどこから見える?
2025年1月1日
飛島から見た“ダイヤモンド鳥海”(2024年10月18日簗川堅治氏撮影)
山頂から朝日が昇る富士山は “ダイヤモンド富士”と呼ばれます。ということは、山頂から朝日が昇る鳥海山は “ダイヤモンド鳥海”と言えます。“ダイヤモンド鳥海”はいつ、どこから見ることができるのでしょうか。
地球は約23°傾いた状態で、太陽の周りを1年かけて回っています。これが季節によって昼間の長さが変わる原因です。一年で最も昼間が長いのが6月21日頃の夏至、最も昼間が短いのが12月21日頃の冬至で、これが“ダイヤモンド鳥海”が見える範囲に関わってきます。
夏至の頃に鳥海山の山頂から朝日が昇る様子が見られるのは、にかほ市象潟町洗釜付近と鳥海山の山頂を結んだ場所です。一方、冬至の頃に鳥海山の山頂から朝日が昇る様子が見られるのは遊佐町比子付近と鳥海山の山頂を結んだ場所で、この内側が“ダイヤモンド鳥海”が観察できる範囲です。飛島の勝浦港周辺では、2月22日頃と10月19日頃に“ダイヤモンド鳥海”が見られます。
ちなみに、正月に“ダイヤモンド鳥海”が見える場所は、遊佐比子インターチェンジの北2kmの国道7号線から鳥海山の山頂を結んだ線の周辺です。もし鳥海山が見えるようでしたら、元日は少し早起きして“ダイヤモンド鳥海”を探しに行ってみてはいかがでしょうか。
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【文・写真】
一般社団法人鳥海山・飛島ジオパーク推進協議会 次長兼主任研究員 大野希一