【第134回】鳥海山の噴火に備える-鳥海山の1974年噴火の前に起きたこと-

※鳥海山の美しい山容。この景観は、度重なる火山噴火と大規模な山崩れがつくりだしました。

秋田県内には6つ、山形県内には4つの活火山があり、鳥海山は双方に含まれています。鳥海山で最新の噴火が起きたのは1974年です。この時は3月1日午前10時10分に航空機から噴煙が確認されましたが、2月下旬には既に噴火が発生していたと推定されています。3月5日までの間に火山灰の放出を伴う噴火が少なくとも4回起きたのち、噴火はいったん落ち着きますが、4月24日には再び噴火が起きました。4月28日に噴火は最盛期を迎えた後おさまり、10月には噴気もほとんどなくなりました。この噴火は、マグマの熱で暖められた地下水が地表付近の岩石を吹き飛ばして生じる水蒸気噴火だったのですが、この噴火が起こる前、鳥海山にはどのような変化があったのでしょうか。

由利本荘市内にある東北大学本荘地震観測所では、前年の12月から鳥海山の山頂直下で火山性地震が観測され始め、1月にはその発生回数はピークを迎えました。また1974年1月2日には、新しい噴気が山頂付近で確認されました。これらを参考にすると、鳥海山で水蒸気噴火が起きる場合、噴火の2か月ほど前から火山性地震の増加や新たな噴気が生じること、そしていったん噴火が始まると、それは強弱を繰り返しながら数か月は続く可能性がある、ということになります。 いずれ鳥海山は噴火します。将来起こる鳥海山の噴火に備えるために、鳥海山火山防災協議会が発行している火山防災マップを確認してみてはいかがでしょうか。

一般社団法人鳥海山・飛島ジオパーク推進協議会 次長兼主任研究員 大野希一
【文・写真】

一般社団法人鳥海山・飛島ジオパーク推進協議会 次長兼主任研究員 大野希一