【第126回】梅雨末期の集中豪雨に注意

       ※増水した河川。大雨時には、河川には近づかないようにしてください。

東北北部の梅雨明けは、例年であれば7月末頃です。梅雨の末期には勢力を増した太平洋高気圧から暖かく湿った空気が大量に梅雨前線に流れ込み、強い雨雲が発達しやすくなります。特に、同じ場所で発生・発達し続けた雨雲が風で流され、線状に並ぶ線状降水帯と呼ばれる現象は、限られた地域に大量の雨を降らせ続けるため、豪雨災害の要因のひとつとされています。前線だけでなく台風の接近に伴って発生することもある線状降水帯は、大気中の水蒸気量の減少や、風向きの変化によって雨雲の発生場所が移動するまで数時間出現し続けることもあります。

2024(令和6)年7月25日、由利本荘市から酒田市にかけて線状降水帯とみられる現象が発生しました。気象庁によれば、この日観測された24時間降雨量は由利本荘市矢島で210ミリ、酒田大沢で356ミリに達し、平年の7月1か月間に降る雨とほぼ同じか、それよりはるかに多い雨が、わずか1日で降りました。

大雨洪水警報は今後大雨や洪水が発生したり、その状況が続いたりすることを伝える“警告”です。警報が出たら安全を確保しつつ速やかに避難するか、別の場所への避難が難しい場合は頑丈な建物の高い場所に移動するなど、身の安全の確保に努めて下さい。

一般社団法人鳥海山・飛島ジオパーク推進協議会 次長兼主任研究員 大野希一 氏
【文・写真】

一般社団法人鳥海山・飛島ジオパーク推進協議会 次長兼主任研究員 大野希一 氏