【第58回】飛島・館岩からみる風景

2019年10月1日

昨年9月放送されたNHKの人気番組ブラタモリの酒田編はご覧になりましたか?「山形・酒田はなぜ日本の中心に!?」をお題に出演者が酒田と飛島を巡り好評を得ました。酒田市とジオパークも番組制作に全面協力しました。

さて、飛島で紹介されたのは、港の南側に屏風のようにそびえる「館岩」です。館岩は高さ40m以上ある巨大な岩で流紋岩という溶岩でできています。飛島は海底火山の噴出物からできているのですが、館岩のような硬い溶岩のかたまりが海の侵食から島を守っています。そのため館岩の北側は港に適した地形となり、明治時代まではたくさんの北前船が寄港し、港町酒田の繁栄を陰ながら支えました。

この夏、ジオパークガイドさんは「番組で登場した館岩はどこですか?」とよく質問されたそうです。館岩に登ると平らな地形に拓かれた飛島の集落が一望でき、天気が良ければ海に浮かんだような鳥海山が望めます。春から夏まではウミネコの子育てを間近で観察できます。青く澄んだ海のなかにはムツサンゴやオノミチキサンゴが群生しています。館岩からみる風景は、不思議の島の魅力がいっぱいです。

 



鳥海山・飛島ジオパーク推進協議会 専任研究員 岸本 誠司氏

【文・写真】
鳥海山・飛島ジオパーク推進協議会 専任研究員 岸本 誠司氏

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