【第26回】-飛島の遊覧ジオツアーがおすすめ-

2017年2月1日

鳥海山・飛島ジオパークのテーマは「日本海と大地がつくる水と命の循環」、エリア内南北に約90キロ続く海岸線や飛島には海に関係する見どころもたくさんあります。

飛島で私がおすすめするのは遊覧船のジオツアーです。え、遊覧船なんてあったの?と思われる方もいるかもしれませんね。

現在、漁の繁忙時間を除いて5隻ほどの漁船が遊覧に対応していますし、昨年からは遊覧専用のモーターボートも営業を開始しています。勝浦港から館岩を経て、
本島の沖1キロほどにある烏帽子群島と御積島(おしゃくじま)をめぐる50分ほどのコースはお手軽で満足度満点です。

勝浦港をつくる「館岩」は粘り気のある流紋岩溶岩で、波の侵食に耐えた荒々しい景観が広がっています。「烏帽子群島」は鳥海山と同じ安山岩溶岩、
溶岩が冷えて縮まるときにできた「柱状節理」が発達しています。島では「材木岩」と言われて弘法大師伝説も伝わっています。

本島(69メートル6)よりも高い御積島(77メートル)も流紋岩の島です。御積島の海食洞窟は龍神が棲むと信じられていて、
近隣の漁民や北前船の乗組員から篤い信仰を集めた聖なる島です。これらの島をつくった溶岩は今から1000万年前後に海底火山から噴出したものだと考えられています。

また、本島の北のはずれに浮かぶ「二俣島」は日本海ができた1500万年前に噴出した玄武岩溶岩の島、こちらは島じゅうが柱状節理の断面になっています。
コンパクトなエリアに変化に富んだ岩石や地形が見られるのが飛島エリアです。遊覧船を使ってちょっとディープなジオツアーを堪能してみてはいかがでしょうか。



鳥海山・飛島ジオパーク推進協議会 専任研究員 岸本 誠司氏

【文・写真】
鳥海山・飛島ジオパーク推進協議会 専任研究員 岸本 誠司氏

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