【第10回】-鳥海山のてっぺんのお話-
2015年10月1日
鳥海山は標高2236㍍もある立派な山です。その頂上は「新山」といいます。それは新しいとはいっても江戸時代にできた山なのです。江戸時代にはこんなことが起きました。最初にねばねばした溶岩をドローっと流します(この上に大物忌神社が建っています)。
次にドカンドカンと爆発が起こりました。御嶽山の噴火のように石が飛び出してきました。小さな石から大きな岩まで大きさはいろいろです。一番大きな岩は300㍍もあります(そのそばに大物忌神社の社殿がつくられています)。
最後にたいへん粘り気の強い溶岩がでてきました。あまりにも粘り気が強いためにほとんど流れることができず、もっこりともりあがってしまいました。
その様子は絞り出したマヨネーズが盛り上がるのととてもよく似ています。これが今の新山です。形が東京ドームととてもよく似ています(東京ドームよりもだいぶ大きいのですが)。新山のような火山は溶岩ドームとよばれます。
このようにして鳥海山のてっぺんはできあがりました。遠くからながめると鳥海山のてっぺんが少し丸っこく見えますが、これが溶岩ドームです。
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【文・写真】
秋田大学教育文化学部教授火山地質学専門 林 信太郎氏