県道368号線の道沿いの展望スポット(地元で「のぞき」と呼ぶ)に行くと、鶴間池全体と周辺の地形が一望できます。標高約815mの場所にある鶴間池は、水深が3.9mとそれほど深くはありませんが、湧水がたまってできた池のため、年間を通じて水温が安定しており、氷が張りません。
そのため、モリアオガエルやアカハライモリなどの多様な生き物が棲み、水鳥や小動物が集まってくる場になっています。標高の高い山の斜面に池をつくったのは地すべりです。
約44万年前に鳥海山から噴出した溶岩が地すべりを起こして平坦な地面が生じ、そこに湧き水や雪解け水が溜まってできたのが鶴間池です。大昔に発生した地すべりは、イヌワシが暮らすのに適した急な崖もつくり出しており、多くの生き物を育む池と地形をもたらしています。