【第81回】4市町の“つながり”を防災に
2021年9月1日
2020年秋、日本ジオパーク委員として鳥海山・飛島ジオパークの再認定調査を担当しました。他のジオパークのお手本になる数々の取り組みに感動するとともに、山形・秋田両県にまたがる(にもかかわらず)、4市町の連携がとても良いことに驚きました。連携の秘密はどこに?4人の首長さんとの面談の場で、率直に伺ってみました。
するとその秘密は「防災で、つながる力」にあることが分かりました。鳥海火山の防災対策をすすめようと国交省のヘリコプターで4市町長が一緒に視察した結果、この地域の防災力を高めるためにジオパーク活動に取り組むことにしたそうです。首長同士、自治体同士、住民同士が、つながることで防災力を高めようというのです。
災害が相次いでいます。2020年、最上川が氾濫、領域内には日本海東縁、庄内平野東縁活断層帯があり2019年、山形沖地震で津波注意報も出ました。新型コロナ感染症で注目されたダイヤモンドプリンセス号が2018年、酒田港に入港。38人がジオツアーに参加していました。ジオパークと防災・危機管理部門の連携が今こそ必要です。“つながり”を世界に広げようとユネスコ世界ジオパークを目指すことになった鳥海山・飛島ジオパーク。
今一度、「つながる力を、防災に!」期待しています。
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【文・写真】
NHK放送文化研究所 主任研究員 山口勝 氏