【第9回】-鳥海山とイヌワシ-

2015年9月1日

column-kamata

鳥海山の素晴らしさを野生生物という点から紹介させていただきます。

突然ですが皆さん、鳥海山周辺には何羽イヌワシが生息しているかご存じでしょうか。正解は2組(4羽)です。多くの人は「そんなに少ないの?」と驚いたのではないでしょうか。

実はイヌワシは広大な生息範囲と多くの餌を必要とするため、そもそも生息数は他の猛禽類と比較しても多くはありません。重要なのは数ではなく、そこに生息している理由です。イヌワシは生態系の頂点に立ち「空の王様」とよく呼ばれています。また、豊かな自然環境がある場所でのみ生息していることから環境の健全性・多様性のバロメーターとも言われています。イヌワシがすんでいること、これは鳥海山が豊かな自然環境である証拠でもあります。

残念ながらイヌワシは滅多に見られるものではありません。よく「鳥海イヌワシみらい館」(山形県酒田市)に訪れる人が「イヌワシを見た」とお話をしてくれますが、写真などを確認すると大体がトビだったりします。空を見てイヌワシを探すのではなく、周りを見渡しイヌワシがすんでいる理由を感じながら鳥海山を登るのも新たな楽しみ方ではないでしょうか。



鳥海南麓自然保護官事務所 鎌田憲太郎氏

【文・写真】
鳥海南麓自然保護官事務所 鎌田憲太郎氏

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