【第51回】“ボツメク”湧き水の秘密

2019年3月1日

源泉の様子

 

由利本荘市の東由利地域には、“ボツメキ湧水”と呼ばれる湧き水があります。ボツメキ湧水の名の由来には諸説あり、その1つに“ボツボツと豊富に水が湧き出す様子”からその名が付いたというものがあります。1日に約900トンといわれるボツメキ湧水の豊富な水は、一体どこからくるのでしょうか?

ボツメキ湧水は、八塩山の中腹に位置しています。八塩山の周囲に高い山はなく、ボツメキ湧水は八塩山に降った雨や雪解け水が起源と考えられます。しかしボツメキ湧水以外に、八塩山に水量の豊富な湧き水はみられません。どうやら、ボツメキ湧水の秘密は八塩山の地下にあるようです。八塩山の地下には、八塩山を作り出した地殻変動によってできた断層があり、この断層はボツメキ湧水の近くを通っていると考えられています。断層と地下の水の流れとの関係は様々ですが、八塩山では、断層が地下の水の流れを規制してボツメキ湧水の豊富な水量を支えていることが考えられます。

皆さんのお住まいの地域にも、湧き水がおありのことでしょう。見慣れているはずの湧き水も、実はたくさんの秘密を抱えていると考えると、新たな気づきを得られるかもしれません。

 



秋田大学教育文化学部 教授 林 武司氏

【文・写真】
秋田大学教育文化学部 教授 林 武司氏

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