【第56回】鳥海山で秋を感じる「鷹見台」

2019年8月1日

日本で確認されたことのある野鳥の種数は約650。実はその半分以上の種が、季節に応じて移動をする「渡り鳥」です。身近な渡り鳥を挙げると、夏鳥ではツバメやカッコウ、冬鳥ではハクチョウ類やツグミ等が有名です。夏鳥は繁殖地として、冬鳥は越冬地として日本に滞在します。例えば、秋季は夏鳥が東南アジア等に向かっていくのを見送ると同時に、シベリア等から南下してくる冬鳥を迎え入れる時期。また、北海道や東北などの多雪地から雪の少ない地域へと国内移動する野鳥もいます。この野鳥の大移動を観察する楽しみ方の一つに“タカ(鷹)の渡り”があります。見晴らしの良い眺望点から、目の前を通過するタカを見る。それらを写真に収めたり通過する数をカチカチとカウンターで数えたりと楽しみ方は様々。全国各地に観察スポットがあり、メッカでは1日で1,000羽以上が観察されています。鳥海山は全国有数とまではいきませんが、鉾立の登山口周辺は秋季の渡りを見るのに適した眺望地。上昇気流に乗ってぐんぐん上昇するタカを間近に見ることができます。今秋は標高1,000mから望む象潟、黄金の稲穂を背景にタカの渡りを間近に見てみませんか。

秋の渡りで見られるタカの仲間

 



鳥海南麓自然保護官事務所 長船 裕紀氏

【文・写真】
鳥海南麓自然保護官事務所 長船 裕紀氏

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