【第49回】地形を読むと地震が分かる

2019年1月1日

庄内平野の東へりには活断層である庄内平野東縁(とうえん)断層帯が南北に走ります。この断層の北半分は1894(明治27)年に庄内地震をおこし、激しい揺れによって726人が犠牲となりました。大地震が発生すると、地下の断層のずれが断層に沿った地面に段差となって現れます。地表地震断層とよばれ、東側の出羽山地は2m程度上昇します。見慣れた庄内平野と出羽山地の地形・風景は、地震の繰り返しによってできたのです。断層沿いを歩くと、緩斜面からなる撓曲崖(とうきょくがい)が見られ、これらは地表地震断層と関係する貴重なジオサイトです。

2018年には、6月の大阪府北部の地震(震度6弱)と9月の北海道胆振(いぶり)東部地震(震度7)の二つの大地震が発生しました。どちらも活断層の存在と大地震発生の可能性が、地形の調査によって事前に予測されていた場所でした。「地形を読むと地震が分かる」のです。日常見慣れた風景・地形の生い立ちを知り、自分が暮らす場所の地震環境を考え「正しく知って、正しく恐れ備える」ことが大切に思います。



鶴岡工業高等専門学校創造工学科 教授 澤 祥 氏

【文・写真】
鶴岡工業高等専門学校創造工学科 教授 澤 祥 氏

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