遊佐エリア 遊佐エリア

鳥海山大物忌神社(吹浦口ノ宮)(溶岩の厚みを体感)→釜磯(砂浜から湧き出す湧水、海底湧水の存在)→神泉の水(湧水がもたらす生活の恵み)→三崎海岸(日本海に向かって流れた溶岩)→牛渡川・丸池様(湧水100%の清流、神秘的な光景)→胴腹滝(多くの人が水汲みに訪れる湧水)

鳥海山の溶岩がため込んだ雪や雨が、山麓はもちろん海岸や街中にも豊かに湧き出しているエリア。火山が育む水の恵みを五感を通じて感じ取ることができる。

鳥海山の溶岩が日本海までに流れ出た遊佐エリア一帯では、火山が育む水の恵みを五感を通じて感じ取ることができます。鳥海山のガサガサの溶岩がため込んだ雪や雨は数十年の時を経て、山麓はもちろん海岸や街中にも豊かにポコポコと湧き出しています。

鳥海山に由来する豊かな水は、天然岩ガキ漁、鮭の遡上、稲作、畑作など地域の自然と人々の暮らしを育んできました。豊富な湧水がいかにして湧き出すのか、その秘密を探り、体で感じ取ることができるコースを紹介します。

鳥海山大物忌神社(吹浦口ノ宮)

鳥海山山麓は、流れ出た溶岩がよってできた溶岩地形が発達しています。鳥海山大物忌神社(吹浦口ノ宮)が鎮座する辺りの地形は、約10万年前に流れた「吹浦溶岩」がつくりました。石段下の拝殿周辺が溶岩の底部で、ここから159段の石段を登った本殿の地点が溶岩の上部に当たります。階段の高低差は約40mありますが、これが吹浦溶岩の厚さに相当します。一歩一歩踏みしめる階段の数だけ、鳥海山の溶岩を実感することができます。

出羽国一ノ宮でもある鳥海山大物忌神社の創建は古く、昭和38年に1400年祭が執り行われた。鳥海山大物忌神社の本社は鳥海山の山頂に鎮座し、麓に「口ノ宮」と呼ばれる里宮が吹浦と蕨岡の2カ所に鎮座しています。また、山岳信仰・修験、それらにまつわる伝統文化が数多く伝承されている。平成20 年に国史跡「鳥海山」に指定されている。

釜磯

釜磯では、砂浜や岩場のすき間から湧き水がポコポコと湧き出す不思議な風景を見ることができます。鳥海山は、約60万年前からの火山活動によって流れた溶岩が重なりあってできていて、溶岩の上部と下部はガサガサに冷えて固まっています。溶岩が何層にも重なることでスポンジのようにたくさんの水をため込みます。数十年の時を経てその水は湧き水となり、地表に「ぽこぽこ」と湧き出しています。

釜磯海岸の湧き水の温度は年間を通して約11℃です。夏場、釜磯海水浴場で砂浜の湧水に足を踏み入れると、その冷たさに驚くことでしょう。 湧き水は沖合の海底でも湧きだしていて、天然岩ガキなどの海産資源を育む環境をつくっていると推測されています。

牛渡川・丸池様

牛渡川は、鳥海山から流れ出た溶岩の側面に沿って流れる全長約4キロの清流です。牛渡川を流れる水のほぼすべてが湧き水で、その量は毎分24トン(1日約3万トン!)ともいわれています。

この川にはバイカモ(梅花藻)やカジカ類をはじめ特徴的な動植物が生息し、湧き水がつくりだした水環境のもと、多様な生態系が広がっています。  また、湧き水を利用した鮭の孵化事業も行われていて、毎年秋から冬にかけて大量の鮭が遡上する姿をみることができます。

丸池様は池の底から湧き出している湧水で満たされた池です。池透明度が高くエメラルドグリーンに輝き、辺りは神秘的な雰囲気につつまれています。ほとりにはこの池を御神体とする丸池神社が祀られ、人々は親しみと畏敬の念を込めて「丸池様」と呼んでいます。

鳥海山から流れ出た溶岩がつくった周辺の低い台地には、大規模な縄文時代の遺跡(小山崎遺跡/縄文中期)も見つかっています。山があり海があり、そして豊かな水がある。ここが自然に恵まれた暮らしやすい場所だったことがわかります。