【第90回】Geoと防災
2022年6月1日
「防災」や「災害」という言葉を毎日のように見聞きします。しかし、わかったようでわからないのが悩みの種。
そこで、広辞苑を引いてみると、防災とは「災害を防止すること」、災害とは「異常な自然現象や人為的活動によって、人間の社会生活や人命に受ける被害」とあります。このことから、災害には「自然と人間」が深く関わりあっていることがわかります。
小山崎遺跡発掘調査報告書(2015年、遊佐町教育委員会)では、縄文の人々の暮らしを、「地形や環境の変化を巧みに利用しながら住居を構え、社会生活を営んでいた。」と述べています。
ある時期までは自然と共生していた人間社会に、急激な人口の増加が起きました。その結果、住んではいけない所にも家を建て、街を造り、工場を建て、道路や鉄道を縦横無尽に走らせました。これが、自然の猛威と人間社会が関わりあう原因の一つです。
防災は、土地の成り立ちを知ることが大切です。大地(Geo)に触れながら、新しい防災学習に挑戦してみませんか。
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【文・写真】
遊佐町危機管理アドバイザー 佐々木浩行 氏