遠賀美神社(北前船と漁村文化)→館岩(良港をつくった地形/ウミネコ繁殖地)→海岸遊歩道(流紋岩の造形)→ゴトロ浜(海食崖・海食棚)→宮谷(タブノキ)→烏帽子群島(安山岩柱状節理)→御積島(海食洞窟/漁村文化)
対馬暖流の影響等によって南と北の動植物が同居する特徴的な生態系をもつ。海を生業とする人々によって培われた漁村の生活や文化も見どころ。
飛島は日本海を南北に伸びる海底山脈のてっぺんにあたります。今から1000万年以上の大昔に海底の火山から吹き出した噴出物が海底に積み重なり、後にそれが盛りあがりながら波や風雨に削られてできた島です。飛島のいたるところで、大地と海の営みによってできた地形や風景をみることができます。
対馬暖流の影響を強く受ける飛島は、南と北の動植物が同居する個性的な自然が広がります。海を生業とする人々によって培われた漁村の生活や文化も飛島エリアの見どころです。「大地・自然・文化」の多様性を意識しながらめぐるジオツアーは「不思議の島・飛島」を実感する旅になることでしょう。
ゴトロ浜
飛島の周囲には波が大地を平らに削った海食台が広がり、潮の満ち干によって海と陸に姿を変える浅瀬となっています。ゴトロ浜の地面の緑色の丸い石は海底火山から噴出した火山弾です。
南灯台付近は20メートルを超す海が削った崖になっていて、火山弾と火山灰が交互に数千も積み重なった地層をみることができます。飛島がかつて海の底にあったことを物語っています。ゴトロ浜は地球と海の営みのダイナミズムを感じることのできるジオサイトです。
御積島(おしゃくじま)
飛島の西方約1kmに位置する御積島は、粘り気の強い溶岩(流紋岩)でできた高さ77mの島です。島の北側に開けた洞窟の内部は黄金色の鱗状の岩壁になっていて、ふるくから女人禁制の島として神聖視されています。この洞窟は、龍が棲む神秘な場所として島民や北前船の船乗りたちから広く崇められてきました。鱗状の岩壁の成因は、島で繁殖するウミネコに関係していると考えられています。
火山活動と海食によってできた島と洞窟に、海鳥が繁殖することでつくられた造形。海の民はその造形に神秘の眼差しを向けました。御積島は、「ジオ」と「自然」と「文化」が交錯する、物語性あふれるジオサイトとなっています。御積島、烏帽子群島へは漁船による遊覧がおすすめです。