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城輪柵跡 → 玉簾の滝(海底火山活動、東西圧縮による大地の動き) → 鶴間池のぞき(貝形雪渓と鶴間池)→鳥海イヌワシ未来館 (イヌワシの生息等)

イヌワシのつがいが棲息できる森林が広がる「鶴間池」や、高さ63m、幅5mの「玉簾の滝」など、多彩な大地と自然を感じ取れるツアーコース。

鳥海山には秋田県側と山形県側にそれぞれひとつがいのイヌワシの棲息が確認されています。食物連鎖のピラミッドの頂点に位置する動物がイヌワシです。イヌワシが棲息できる環境は生態系のバランスが取れている自然であることから、鳥海山麓の自然保全の象徴にもなっています。

庄内平野と出羽丘陵は、かつては海の底にありました。酒田エリアには、日本海が形成されてきた時代の海底火山活動や、気候変動にともなう海水面の変動の痕跡などをみることができます。

庄内平野の北部に位置する城輪柵(国指定史跡)は、出羽国が拓かれた平安時代の国府跡です。出羽国の黎明と開発の歴史も酒田エリアの魅力のひとつです。

玉簾の滝

「玉簾の滝」で見られる岩石は、約1500万年前にできたといわれています。鳥海山が噴火しはじめたのは約60万年前よりもずっと前の時代です。この頃、東北地方のほとんどはまだ深い海の底でした。そこでは活発な海底火山の活動によって、信じられないくらいの量のマグマが噴出していました。

玉簾の高さは約63mあり、山形県内一の落差です。滝の後ろに見える黒っぽい巨大な壁は、すべて海の底で冷えて固まった溶岩です。滝のまんなか辺りにはきれいな割れ目が縦に入っています。これは溶岩がゆっくり冷えて固まるときにできる割れ目で「節理」といいます。ここで見られる「節理」は柱の形をしていることから「柱状節理」といいます。豊かな水を育む鳥海山麓にはたくさんの滝がありますが、そのなりたちは固い溶岩と深い関係があります。

鶴間池とイヌワシ

鶴間池は地すべりブロック源頭部の凹地に形成された池です。溶岩を乗せた青沢層がキャップロック型地すべりを起こし、百数十メートル滑落したと考えられます。地すべり源頭部には弧状の凹み地が形成されています。

また、青沢断層直上に位置することも本地すべりの成因関係しているかもしれません。鶴舞池の北側の露頭では鳥海山の内部構造をよくみることができます。ここから採取された溶岩の年代は約44万年前で、鳥海山形成ステージⅠの初期のものです。

また、鳥海山には国の天然記念物であるイヌワシが棲息しています。イヌワシは環境省版レッドリストに記載されている希少猛禽類です。イヌワシは外からの敵が近寄りにくい地すべり等でできた高い崖に巣をつくり、地すべりでできた開けた平坦な土地が狩り場となります。大地の成り立ちとイヌワシの棲息環境をジオストーリーで理解することができます。

撮影:長船裕紀

貝形雪渓

鳥海山には、溶岩と溶岩のあいだにできる地形に越年性の雪渓(万年雪)が見られます。貝形雪渓付近には年間40〜50mの雪が積もり、すべて溶けることなく越年し、まるで氷河のように流れ動いています。鳥海山全体が見えない巨大な天然ダムなら、雪渓は目に見える天然のダムです。この雪渓が乗っている地形の傾斜は20〜25度で、雪渓末端部は巨大な雪の壁のような威圧感があります。周辺には巨大な雪の塊が動く際にできる地形や擦り痕も見ることができます。

貝形雪渓は遠望するには、鳥海高原ライン終点駐車場に車を停めて、徒歩で100m程戻ると、遠望に適したビューポイントがあります。眼下には湿原が広がり、初夏には高山植物が咲き乱れ、貝形雪渓の全貌を望むことができます。