【第70回】猛禽類保護センター設立20周年

2020年10月1日

ジオパークは、大地の公園と言われていますが、その大地の上には動植物などの生態系が形成されており、大地と生態系は非常に密接な関係があります。

酒田市の「市の鳥」でもある鳥海山で見られるイヌワシは、地域の生態系ピラミッドの最高位に位置する消費者です。本種が生育できる環境を保護することで、その傘下にある他の種も保全出来、広い面積にわたる生態系が守られることからアンブレラ種ともいわれています。つまり、イヌワシはその地域の生態系が適切に保全されていることを示す重要な種なのです。

鳥海山南麓にある猛禽類保護センターでは、環境省が実施するイヌワシの保護増殖事業の拠点施設となっている他、イヌワシをはじめとした猛禽類の展示を行っており、今年で設立20周年を迎えます。

当施設では、20周年を記念し、イヌワシをはじめとした猛禽類に親しみをもってもらうため「イヌワシ絵画コンクール」を実施しました。全国から集まったおよそ200点の作品を10月10日から10月18日までの間、鶴岡市のエス・モールひかりの広場にて展示していますので、是非見に来てください。これをきっかけに猛禽類保護センターを訪れ、イヌワシや鳥海山の生態系について知っていただければ幸いです。



鳥海南麓自然保護官事務所 自然保護官 澤野 崇 氏

【文・写真】
鳥海南麓自然保護官事務所 自然保護官 澤野 崇 氏

澤野崇 氏のその他の記事