【第79回】飛島クリーンアップ作戦20周年~海洋プラスチックごみへの取り組み
2021年7月1日
山形県と酒田市が飛島島民からの切実な声を受けて始動した「飛島クリーンアップ作戦」は、昨年、20回目を迎えた。残念ながら、コロナ対応による開催延期と台風による中止が重なり実施できなかった。公募した県内外のボランティアにも渡航費用の約半分を負担してもらい、まる1日かけた海岸清掃活動のノウハウは、新潟県の粟島などの他地域での取り組みにも活かされている。また、2009年の「海岸漂着物処理推進法」の制定を後押しした。最近は学生団体の取り組みも加わるなど、海洋プラスチック問題へのモデル的な活動としての評価を受けている。
活動当初、1メートル半程度に積み上がっていた漂着ごみの状況からはかなり改善されたが、継続した清掃活動は欠かせない。ようやく、ごみの元となるプラスチック製品の使用抑制や廃棄管理などの政策が一歩進み始めたところである。飛島での海岸の散策のときには、多数の人々が努力している姿を、いっとき想像してほしい。
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【文・写真】
NPO法人パートナーシップオフィス理事 金子 博