【第89回】空も雲もジオパーク
2022年5月1日
日本は四季の変化に富んでおり、空にも四季折々の表情が見られます。それは日本が南北に温度差の大きい中緯度帯に位置していること、そして熱容量の異なる大陸と海に囲まれていることが鍵となっており、これが日々の天気にも深く関わっています。
天気が日々変わるのは風が変わるためで、天気を予想するときは「風を読め」などと言われます。風が変わるのは、周囲の気圧配置が変化するためです。風は、気圧の高いほうから低いほうに向かって吹きます。例えば、高気圧が近づいてくる今日は西風が吹くが、あさっては低気圧が近づくため東風に変わる、といった具合です。
では、気圧が変わるのはなぜか?それは、温度差が生じるためです。空気は温まる(冷える)と密度が小さく(大きく)なり、地上気圧は低く(高く)なります。この温度差を生むのは、太陽からの熱を受け取る地表面の温まり方の差や、こうしてできる暖気や冷気の移動に因ります。その太陽から降り注ぐエネルギーは地軸の傾きと公転により季節変化する…
こうして日本の立地は豊かな四季を持つ所以となっているのです。
空や雲は、見上げればいつもそこにある大自然であり、まさにジオパークの一部ということですね。
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【文・写真】
合同会社『てんコロ.』代表 気象予報士 佐々木恭子 氏