【第44回】「ジオサイト発掘隊」の活動
2018年8月1日
由利本荘市立鳥海中学校では「ジオサイト発掘隊」が編成されています。生徒の中から希望者を募り、学区内で大地や自然を観察できる場所を探り、独自のジオサイト(ジオパークの見どころ)を作るのがねらいです。総合的な学習の時間や長期休業中を使った年間数回の活動ですが、詳しい方の案内で化石を採集したり、露頭(ガケ)の観察をして説明を聞いたりしてきました。この活動は鳥海山・飛島ジオパーク主催の学習研究発表会でも紹介され、それをきっかけに学区内にある檜山(ひやま)滝(だき)を由利本荘エリアのジオサイトに加えようとする動きも生まれています。
檜山滝は地元の方でもあまり立ち入らない場所にあります。整備されていない山道を15分ほど進むと、勢いよく水の落ちる音が聞こえてきます。やがて、生い茂った木々の向こうに白く流れ落ちる推定落差50メートルの檜山滝が姿を現します。階段状に柱が立ち並んでいるかのような柱状節理が観察でき、その上を清流が流れ落ちています。
地域の自然に目を向ける「ジオサイト発掘隊」の活動は、地域をより広く詳しく知ろうとするきっかけにもなっているとのことです。このような取り組みが広がり、多くの方が地域に目を向けるきっかけになってくれることを願っています。
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【文・写真】
秋田地学教育学会 板垣 弘勝 氏