【第106回】第10回ジオパーク国際ユネスコ会議
2023年11月1日
※2020年~2023年に新規認定されたユネスコ世界ジオパークの認定証を手に、喜びを分かち合う大会参加者。
ジオパークは、持続可能な地域社会を構築し、地域内の資源を未来に引き継ぐ事を目的としたユネスコの正式事業です。しかしこの目的を叶えることは簡単ではありません。そのため、ジオパークの認定地域はネットワークを作り、互いの取り組みを共有しています。その重要な機会が、2年に1度開催されるジオパーク国際ユネスコ会議です。
令和5年9月、アフリカ・モロッコの第4の都市・マラケシュで開催された「第10回ジオパーク国際ユネスコ会議」(以降、世界大会)には、50以上の国々から2,000人以上が参加し、保全、教育、ツーリズム、気候変動等の9つのテーマごとに、各地域の活動が共有されました。例えば教育の分科会では、コロナ禍でも教育活動の質を維持するために、インターネットを用いた教育プログラムを提供した例が紹介され、発表者と聴講者の間で、その効果等について活発な意見交換がなされていました。
残念ながら、9月8日に発生した大きな地震により、大会の一部や、アフリカ初のユネスコ世界ジオパークであるムゴウンユネスコ世界ジオパークの現地見学は中止となってしまいましたが、このような世界大会に参加し、大会参加者に鳥海山・飛島ジオパークの存在を示すことは、ユネスコ世界ジオパークの認定を目指すうえで重要です。
次の世界大会は、令和7(2025)年に、チリ・キュトラルクラユネスコ世界ジオパークで開催されます。
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【文・写真】
一般社団法人鳥海山・飛島ジオパーク推進協議会 次長兼主任研究員 大野希一