ジオパークが目指すもの
ジオパークは、国際的な地質学的意義をもつ地層や岩石、景観、そしてそれらに関わりのある自然環境や人々の暮らし、そして文化を守り、次の世代にそれらを伝えていくことを目的とした、ユネスコの正式プログラムです。人々が紡いできた文化や歴史、伝統、産業は、その地域の気候風土や自然環境に影響をうけ、それぞれが独自に発展してきたものです。様々な地域の文化を生み出してきた自然環境を造り出してきたのは、長い年月に及ぶ地球の活動です。目の前に見える景色や地域独自の文化、風習から地球の活動を考え、地球と地域を守る活動を推進するのが、ジオパークプログラムです。
日本ジオパークに認定されるには
日本ジオパークの認定審査は、日本ジオパーク委員会が行います。審査は提出された申請書類、公開プレゼンテーション、および現地調査員による現地調査を通じて行われます。その中では、ジオパークの認定を希望する地域において、「国際地質科学ジオパーク計画」のガイドラインに明記された基準に基づいた活動が継続して行われているか、そして今後、その活動を継続させるうえで十分な人材と予算があるか、などが審査されます。
ジオパークの認定基準
ジオパークは、ユネスコが制定する「国際地質科学ジオパーク計画(International Geosciences and Geopark Programme: IGGP)」のガイドラインに明記された基準に基づいて認定されます。IGGPのガイドラインの第3章には、以下の8つのユネスコ世界ジオパークの基準が示されています。なお、ユネスコ世界ジオパークに認定された地域は、ジオパークのエリア内に国際的な地質学的価値を有する地質や岩石が必ず存在しています。
| 基準i | 国際的な地質学的意義のある地形地質遺産や景観を含み、明確な境界をもつ一筆書きの領域がある。そしてその領域が、保全、教育・研究、持続可能な開発を網羅した、総合的な考え方によって管理されている。 |
|---|---|
| 基準ii | 地質遺産と自然・文化遺産とを連携させて、社会が直面する地球規模の重要課題の解決を目指している。 |
| 基準iii | 国が定める法的資格を有する組織が、エリアを適切に管理・運営している。 |
| 基準iv | 地形・地質学的遺産を教育活動に活用し、生物多様性や地域の文化遺産と関連させながら 地質 遺産の重要性を伝えるものであること。 |
| 基準v | 地域住民や関係者、先住民族など、あらゆる立場の人をジオパーク活動に巻き込んで活動している。 |
| 基準vl | ジオパークの国際的なネットワークにおいて、経験を共有したり、ネットワークプロジェクトに参加したりしている。 |
| 基準iiv | エリア内の地質遺産が法的に保護されている。地質標本の販売は禁止され、またその拡大を積極的に防ごうとしている。 |
| 基準iiiv | これらの基準の達成度は新規認定・再認定審査の際に確認される。 |
日本のユネスコ世界ジオパーク
2025年6月現在、世界にはユネスコが認定するユネスコ世界ジオパークが50カ国の229地域にあります。このうち、日本には以下の10のユネスコ世界ジオパークがあります。
日本ジオパーク
2025年6月現在、日本には日本ジオパーク委員会が認定する日本ジオパークが47地域あります。以下の地域が、日本ジオパークに認定されています。

