【第113回】梅雨とは?
2024年6月1日
※雨の水田。長雨は人々の生活用水だけでなく、農作物を育てる源にもなります。
この時期、沖縄や九州地域は既に梅雨入りしていますが、6月初~中旬には東北地方も梅雨入りが見込まれます。梅雨は、それまで冬に日本列島を覆っていた冷たい空気(オホーツク海高気圧)と、このあと日本列島を覆うことになる暖かく湿った空気(太平洋高気圧)の境目が、日本列島付近に留まることで生じます。冷たい空気と暖かく湿った空気の境目には梅雨前線が発達し、これが南北に移動すると、大雨になったり梅雨の晴れ間が訪れたりします。6月は太陽の位置が1年のうちで最も高く、昼間の時間も長いため、たくさんの太陽エネルギーが北半球を温めます。1か月ほど経ち、十分に発達した太平洋高気圧が、冷たい空気を北に押しやると、梅雨明けとなります。
梅雨の時期は湿度が高いため、体調を崩しやすくなるだけでなく、食べ物も傷みやすくなります。また、梅雨明け直前は線状降水帯の形成に伴って集中豪雨が発生しやすくなるため、気象災害や土砂災害にも注意が必要です。その一方で、梅雨は人々の暮らしを支える大事な水をもたらしてくれます。体調や食べ物、自然災害に注意しながら、夏の到来を待ちましょう。東北北部の梅雨明けは、平年で7月末です。
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【文・写真】
一般社団法人鳥海山・飛島ジオパーク推進協議会 次長兼主任研究員 大野希一