法体の滝(鳥海山の溶岩が形成した滝)→玉田渓谷(渓谷の植生と甌穴の仕組み) →由利原高原(岩なだれが形成した高原部) →矢島地域の酒蔵(鳥海山からの豊かな水でつくる日本酒)
秋田県の名勝及び天然記念物第1号に指定されている「法体の滝」や、岩なだれが形成した高原「由利原高原」など。
鳥海山北麓であるこのエリアでは、鳥海山の溶岩や岩なだれが生み出したジオサイトが多くあります。鳥海山を水源とする豊富な水は川となり、長い年月をかけて溶岩や大地を削り、現在の景観をつくっています。滝や渓谷のなりたちなどを楽しく学び、高原部の特徴を活かした産業の歴史とジオの恵みについて体感できる主要なコースを紹介します。
法体(ほったい)の滝
法体の滝は、子吉川の支流上玉田川にある高さ約57mの名瀑です。上流から一の滝、二の滝、三の滝と呼ばれ、鳥海山を源流にもつ滝の中でただひとつ鳥海山に対面して流れ落ちている滝です。
法体の滝周辺は、約10 万年前の噴火で流れ出た「法体溶岩」がつくった地形です。周辺には溶岩がゆっくりと冷えるときにできる「柱状節理」や、溶岩が円く削られてできた「甌穴(ポットホール)」も観察できます。
法体の滝には弘法大師にまつわる伝説が伝えられています。この地に訪れた弘法大師が滝のすばらしさに見とれているとき、突然目の前に白髪の老人が現れ、大師に「法体」という滝の名前を伝えたといいます。
由利原高原(東由利原)
標高200m~450mの高原部は約40万年前から16万年前に発生した鳥海山の巨大な山体崩壊によってできました。山体崩壊の原因ははっきりわかっていませんが、岩なだれにより土地の起伏が埋まり、緩やかな起伏の広大な土地がつくられたと考えられています。
高原部には広大な平地と水資源を活かした牧場があります。「秋田由利牛」と呼ばれる黒毛和種のブランド牛やジャージー牛が飼育されています。花立牧場公園では、濃厚なジャージー牛乳やアイスクリームなど、美味しいジオの恵みを楽しむことができます。