【第8回】-鳥海山の水の恵みと日本海-

2015年8月1日

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鳥海山の山麓をめぐると、数多くの滝や湧水群があり、その清冽な水の一部は私たちの生活用水になり、田畑を潤し、また観光客の目を楽しませています。これらは、鳥海山に降った雪や雨が隙間の多い火山体に染みこみ、長い年月を経て溶岩流の末端などに現れたもので、鳥海山は火山なのに「水の山」といったほうがよいほどです。なぜ、鳥海山やこれほど水の豊富な山なのでしょうか。

国土交通省によると、日本の国土の半分以上が「豪雪地帯」でそこには、日本の人口の約15%の人々が暮らしているそうです。鳥海山・飛島ジオパーク構想の位置する秋田県と山形県も全域が「豪雪地帯」で一部にさらに雪の多い「特別豪雪地帯」を含んでいます。

この多雪をもたらす原因は日本海の存在です。日本海には対馬暖流が流れています。冬に大陸からの冷たく乾いた季節風が日本海を渡るときに暖流から大量の水蒸気を吸収し、それが雪雲となり、東北の日本海側に大雪を降らせるのです。冬の雪は生活するうえで不便なことが多いのですが、一方で鳥海山麓の豊かな水をつくり出していることも忘れてはなりません。鳥海山の水の恵みは日本海の存在が欠かせません。


【文・写真】宮城大学 事業構想学部 教授 宮原育子氏
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