【第19回】-埋もれ木は語る-

2016年7月1日

column-kurimoto

埋もれ木と聞けば、本コラムの読者は、神代杉を思い浮かべるのではないでしょうか。

多くの神代杉は、鳥海山の北側に位置する秋田県にかほ市(旧・仁賀保町)の冬師や釜ヶ台で掘り出されました。
この地域は、約2500年前の紀元前466年の秋、鳥海山が崩れたことにより多量の土砂に覆われました。
そのとき、森の樹木は、上部から流されたり、押し倒されたりして谷などの窪みに堆積しました。
掘り出されたスギは、根元の直径が4メートルを越えるものもあったようで、当時の森の姿が想像されます。

一方、最近のことですが、日本海東北自動車道の象潟インターチェンジの工事現場で多数の埋もれ木が見つかりました。
最も大きな材はケヤキで、直径が1.6メートル、長さ10メートルもありました。
クリ、コナラ類、トチノキ、アサダ、ブナなど、出土材のおよそ9割は広葉樹でした。このあたりは落葉広葉樹を主とした森林であったように思われます。

調査の結果から、鳥海山麓では森の植生に違いがあったようです。では、どうしてそうなったのか?
理由はわかりませんが、想像をたくましくするならば縄文人の影響、かもしれませんね…。


【文・写真】秋田県立大学木材高度加工研究所 教授 栗本康司氏
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