【第17回】-寺田寅彦と飛島-

2016年5月1日

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寺田寅彦(1878~1935)は、東日本大震災後に注目された物理学者の一人です。「震災は忘れた頃にやってくる」の警句を残したことでよく知られていますね。
寺田寅彦は日本海沖合いの奥尻島、飛島、佐渡島などが本土の沿岸と並列していることに着目して、これらの島々は大陸からの分離、移動によって日本海ができたときに日本列島本土から取り残されたものではないかと考えました。

この考えはドイツの気象学者アルフレト・ヴェーゲナーが1912年に提唱した大陸移動説に影響を受けたものです。
寺田は、1928年と1929年に飛島の柏木山、酒田の飯森山、にかほ市の三崎山に設置された三角点をもとに位置観測を行い、日本で初めて大陸移動説の検証を試みました。
その後の観測も含めて、年々本土と飛島との距離が縮まっているというデータが得られましたが、まだ有意な結果とは認められていません。

現在、柏木山、飯森山、三崎山にはそれぞれ経緯度観測点の測量台座がひっそりと残されています。
土木建築の近代化遺産としても価値の高いもので、ジオパークでも、壮大な夢を抱いた先人たちの足跡を残していく必要性を感じています。


【文・写真】鳥海山・飛島ジオパーク構想推進協議会 専任研究員 岸本 誠司氏
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