【第6回】-トビシマカンゾウと美人画-

2015年6月1日

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トビシマカンゾウは、飛島と佐渡に分布している海浜環境に適応したニッコウキスゲの仲間です。江戸時代に書かれた「飛島図画」(佐藤梅宇著・天保11〈1840〉年/鶴岡市郷土資料館蔵)には、トビシマカンゾウの花を摘む美人画が描かれています。その解説には「トビシマカンゾウの花盛りの景観は、吉野の桜や龍田の紅葉も圧倒されるほどの美しさだ」と記されています。

佐渡島北端の大野亀はトビシマカンゾウが大群落を形成することで知られていますが「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で二つ星に選ばれたことでさらに注目されるようになりました。森林資源を盛んに利用した昭和30年代までの飛島でも、佐渡大野亀に負けない大群落の景観が見られたといいます。
 
現在、飛島では島民有志の手によってトビシマカンゾウの保全活動が行われていますが、その力はまだじゅうぶんではありません。多くの人々がトビシマカンゾウの価値を再発見し、かつての群落景観を取り戻すことができればどれだけ飛島の魅力が深まることでしょうか。地域の自然を保全し活用することはジオパークの目的の一つです。鳥海山・飛島ジオパーク構想の推進活動では、多様で個性的な飛島の自然のシンボル、人と自然の付き合い方のシンボルとして、トビシマカンゾウを見直していきたいと考えています。


【文・写真】鳥海山・飛島ジオパーク構想推進協議会 専任研究員 岸本 誠司氏
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